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  福岡県大野城市の生涯学習センターで陶芸講師をはじめて、もう7年になりました。
もともと教室などする気もなく、人に教えることなど興味もありませんでした。

しかし、講師を依頼されて、陶芸教育の現状を肌で感じ取ってからは、その考えが大きく変化しました。

 いまでも初日の講座を、はっきりとおぼえています。

当時の学習センター陶芸講座は男性も多く、入講してきたほとんどの方が陶芸の経験者ということでした。

 受講生のみなさんは、道具箱にたくさんのカンナや小道具を詰め込んで、陶芸歴3年、5年、それ以上といった「経験者」がかなりいました。


 ところが・・・。


  その経験者の誰一人、菊練りができませんでした。
  基本の土練りができていないのです。

  そもそも、そこで教えていた人自体、陶芸の世界でプロだったことのない、
  あくまでアマチュアの、単にキャリアの長い年配の人、だったのです。


 土練りが正しくできないだけではなく、その意味や素焼きのこと、粘土のこと、釉薬のこと、ロクロのこと、みなさん、非常に偏った知識しかありませんでした。

 釉薬に関しては、まるで絵具の色かなにかのように捉えているようでした。

 その生涯学習センターは、初代館長が陶芸で池田満寿夫氏だったため、工作室に電動ロクロが5台、様々な器具や道具、中型の電気窯も2基あるという恵まれた環境なのです。


 それなのに、そこでは何年間も粘土細工と、真似事のロクロしか教えていなかった。

ショックでした。わたしは10年近く窯業、築炉業など陶芸の世界に身を置いて独立しましたが、陶芸教室のソフトの部分にかかわったことはありませんでした。


 これが現状なのか・・・


 友人や同業者の方は、そんなものだ、それ以上教えてどうする、というようなことを言われました。しかし、わたしは、どうしても、そうは思えませんでした。

 
 偉そうなことをいろいろ書いてきましたが、わたしは、一般の方より、ほんのちょっと、多めに知識を持っている人間にすぎません。

それでも、その「ほんのちょっと」の部分が、作陶に真剣に取り組まれ、楽しまれる方々のヒントになるのなら、伝えていこうと考えています。

また個人では、対面で伝える人数には限界があります。
それを補う形でも、わたしのメルマガが、なにかのお役に立てれば幸いです。


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